沢登り 十勝連峰の沢 大雪山・十勝連峰の沢

十勝岳 シイ十勝川 ~ 夏道 令和3年7月30日/31日

十勝川ノスタルジー ~七竈の思い出~

シイ十勝川

十勝川の源流歩きクラシックルート、大正14年(1925)慶應義塾大パーティーにより十勝川上部より十勝岳に登る「登高行」

ポイント・核心

・水量が多い河原で残雪のため異常に冷たい沢で1分も浸かってられない足が痛くなる、道中のあだ名は「大河」

・序盤の河原のけもの道は左右に発達しているのでうまく使うと大河疲れが軽減する

・滝が無くCo1400付近から残雪歩き、Co1100からの十勝川の壮大な眺望に心が小躍りしちゃう

・Co1630からの極楽テン場は素晴らしいが燃料は無い

・Co1600からの分岐でルートを色々と選べる
1.Co1600右-十勝岳東側に抜ける沢、沢も屈曲し面白そう稜線に上がる処は緩やかで一番効率がいい
2.Co1630右-十勝岳西側Co1930付近に抜ける、難しくなく雪渓を繋ぎ上がれるが夏山登山者に見つかりやすい
3.Co1630左-上ホロ避難小屋に抜ける今回のルート、十勝岳から一番遠く夏道を登らされるが源頭が美しく早く夏道合流できる

十勝岳新得コース

・良く言うと上部は火山帯、上メットク川とメットク川の砂礫地帯の残雪を眺めながらどこまでも広がる原生林を味わう壮大なルート

・悪く言うと上はぬちゃぬちゃ、中部は下が小川のハイマツ被り道で靴がびちゃびちゃ、下はハイマツが要所でうるさいだらだら長い登山道

十勝岳

【標高】 2077m
【三角点】 -
【百名山】 日本百名山

北海道百名山

【アイヌ】 トカプ・ウシ・イ/乳のある処 ??
【ルート】 シイ十勝川 ~ 十勝岳新得コース
【タイム】 林道最終~Co1630テン場 6h半強
Co1630~上ホロ避難小屋 30分
十勝岳~新得コース登山口 3h半位
【林道】 R3.7/31

・「トノカリ林道」良好

・「トノカリ第2分線林道」良好

・「ポン十勝川林道」上女徳橋付近泥壁に落ちそうな岩有り、湯の滝雨量観測所付近は笹被りだが通行に支障なし、新得登山口手前に路側帯2台Pスペース有り、最終Pは何かの観測器辺りでそこから十勝川出合いまで徒歩10分道中新しいオフロードタイヤ痕と焚き火痕有り

・「レイサクベツ林道」通行止め

・「シートカチ第5支線林道」通行止め

【距離】 21㌔
【メモ】 滝が無く難しくない川だが水量が多い川なので増水すると間違いなくマヅいと思う、天候判断が重要かも

7/30

林道最終P8:50~ Co1630付近15:30 幕

7/31
Co1630テン場8:50~ 上ホロ避難小屋9:20~ 十勝岳10:40/11:30~ 新得コース登山口14:40 クニと

<Slide Photo>

源流紀行

ナナカマドに翻弄され3時間の死闘の末

トノカリウシュベツ川】と【ポン十勝川】を遡行してから林道が良好であることを学びこの山域に興味を持ちつつ地図で十勝川を見た時にいつかは遡行の計画は考えていた、ネットに古い記録有り【北海道の山 アルパインガイド】にしっかりとシイ十勝川と記載があった十勝川ではないのだね、大島亮吉先生の石狩沢は有名で人気があるので自分なりに想いを十勝川に沿わせて…

林道は長いが良好で車高の低いFFでも最終地点まで走破出来た、とりあえず行ってみて下降場所を考えようとしたため中間点の十勝岳新得コース付近に1台配車する、Pから林道を10分位歩き十勝川に入渓する、水量が多く要所で流れが速い川で何度も渡渉を余儀なくされドボンしたら死んでしまうのではというレベルの冷たさで河原が捗らないのでけもの道と枝沢を使い序盤は多用する、あまりの水量の多さにとりあえず道中は敬意を表し「大河」とあだ名をつける

Co900分岐側の滝はなかなか見事であったが詰めてもどこにも繋がらない、板状節理もあり水量のせいか沢は荒れて無く渓相は悪くない、魚はいるが竿を出す余裕は無かったかなり上までいるのではと思う、3時間ほど歩くとCo1100で渓相が変わり沢が開けてくると上手くは言えないがとても景観が良く何だかこの瞬間だけでここに来たかいがあったような気持ちになった、願わくばこのルートは意味のないピンテをベタベタ張るよう不粋な輩が今後も来ない事を祈りたい

Co1145分岐は境山南東側コルに詰めれる沢で地図を見る限りCo1200分岐の北西コルに当たる沢よりも面白そうだ、そしてこの沢にはこの地域特色の要塞マークがある、機会があればやってみたいが頂上付近のやぶ漕ぎがこわい、Co1170分岐側にも見事な滝があった、Co1200分岐を越えると要所で雪渓が出てくる、相変わらず水量は減らないのと思ったよりくまの気配が少ない、そういえば本当にこの沢は滝が出てこない、Co1400付近から雪渓歩きに変わる、爪を使うほどではないが6本あると歩きやすい、途中左側が高く右側の沢床がとても低い場所が2箇所あり通過は難しくないがもしかしたらここに滝が埋まってたのかもしれない?涼しい雪渓歩きを延々と行うも雪渓の景観も良く何だかとても癒される

Co1600分岐で右側に頂上西側に詰める沢が出てきて屈曲を繰り返し面白そうだと思ったがそのまま本流を詰める、Co1630分岐前から快適なテン場が点在し15時半に行動停止快適なテン場を本日の宿にする、こんな快適な宿はなんだか久しぶりでとても幸せだった、早速たき火の準備に取り掛かるが燃料になるものはCo1400付近に転がっていたがこの辺りは皆無である、なんとか調達し取り掛かるも「ななかまど」が難燃性であることを自分は知らず結果として火を安定させるまで3時間を要し、自分はベスターを使い切った時点でほぼ諦めていたがクニの執拗な攻撃によりタイガーボード並みに燃えない難攻不落の「ななかまど」も陥落し焚き火が成功する、自分の焚き火レベルはまだまだで焚き火の成否は執念であることをつくづく思い知った、後から知ることだが「ななかまど」は燃えにくい分燃えだすとかなり長時間燃えることに気付く、クレーマーは自分の味方にすると心強いと一般社会に通じるものがある、ベスター1袋メタ2個を使い切る大試合だった、焚き火が安定し20時頃宴開始、満天の星空と暖かい焚き火を堪能し語らい23時就寝

翌日自分はシュラフなしなので寒くて5時起床、クニは6時半起床でまさかの9時出発になった、正直遅すぎないかと思ったがこのマイペースにはさすがにもう慣れた、ルートでチャランケはあったが上ホロの避難小屋をお互い見たことが無いので朝まで燃えていた焚き火の後処理をして上ホロ避難小屋に向かう左ルートを取り出発、残雪で埋まっているが爪を付けるほどの傾斜も無く快適に遡行する、景観が素晴らしく沢も右に左に蛇行するので飽きない、20分ほどで雪渓無くなり源頭に入るがコザクラが咲き誇り小川も美しくとても素晴らしい源頭だった、こんな景色は沢の特権だと思う

夏道に合流するとハイカーたちが縦横無尽に歩きまわり暑さも有り落ち着かなくなった、小汚くハーネスを付けたままだったのでハイカーの何人かに声を掛けられたが正直面倒、クニは慣れているのでさすがだと思う自分とはまさに陰と陽、十勝川のルートを確認しながら満員御礼の十勝岳に到着し食事を取ったのち美瑛側へ、出発時間も遅くクニが余り沢下降が乗り気では無さそうだったので新得の夏道を使って帰ることにした、メットク川たちはまたの機会にやればいいさと

新得夏道に入るとすぐに上メットク川の雪渓が見えるメットク川も上流部は何もないガレ・ザレ沢で雪渓が相変わらず、夏道はぬちゃぬちゃしており膝にやさしく上部の景観は良かったと思う、時折くまの立派な足跡が横切っていたりシカ糞だらけの道だった、夏道がハイマツ漕ぎに入る前にメットク川の要塞上部が確認できたがなかなかヤバそうな感じだった、夏道は下が川でハイマツが被っているところを延々と歩かされやぶに変わりまたハイマツと不快極まりなかった、靴を濡らさず行く人はいるのだろうか?やがて上メットクの要塞下に合流する、暑くて水をあてにしていたが泥水でニゴリ沢と呼ばれる所以が良く分かった、上メットク川の要塞も見ることが出来たが雪渓に埋まっており上部はカックンとした門な様な滝だった、要塞1つしかなさそうだがいつかはメットク上メットクをやってみたいものだ9月前後にでも

夏道はハイマツの枝が掛かる不快な長い道を経て3時間強で登山口へ、意外と笹刈りがしてあったので定期的に整備はしているのだろうがこのコースに入山する人はどれほどいるのだろうか?今年の入山名簿は誰も無し不人気ルートである、車を回収したのち納豆臭い体でレイクインに直行し帰札する、今日の運転は眠くてマヅかった

滝が無く捗らない河原歩きと雪渓歩きのルートで山谷にも乗らない理由がわかる気がするが、源流を遡行する楽しみはちょっとした探検や冒険心をくすぐり登攀や泳ぎだけが沢登りではないと自分は思っている、ノスタルジックな十勝川巡りはとても面白かった、むしろこういうルートはひっそりと自分と仲間だけの楽しみでもいいのかなとも思っているとても満足のいく2日間だった、どうもありがとうクニそしてななかまど

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